レガート練習法
レガート奏法を滑らかなメロディーの音の動きという観点から考えてみれば、なめらかなメロディーにおいて通常、同音の反復だけで成り立っているということはほとんど無く、非常にまれです。必然的に音の上行、下行を伴っているということに注目してください。言い換えれば、様々な高さの音を結んでできたものがメロディーだということがわかります。
そのようなメロディーをレガート奏法で弾くときには、先の条件が整っている上で、更に次のような方法が良いかもしれません。これは人間の聴覚がもつ「錯覚」を上手く利用したものです。
きっと皆さんは鍵盤へのタッチにおいて特別十分配慮しながら音の粒や音量を整え、音と音との間に隙間を作らないように細心の注意を払って弾く事でしょう。しかし残念ながらそれだけではレガートには聞こえないのです。なぜなら、上行や下行を伴った音の動きに対して均一の音量の音を並べても、人間の耳には決してレガートには聞こえないという事が実際にあるからです。人間の耳には上行する音にはクレッシェンドが、下行する音にはデクレッシェンドが自然についていないとレガートには聞こえないということなのです。
人間の聴覚はそのような性質を持っています。これが「錯覚」ということの意味するところなのです。その錯覚を上手に利用することによって、レガートが出来るという事をぜひ覚えておいてください。
練習法としては、どのような音の動きを使っても可能ですが、今期と良い耳が必要です。
そしてレガートしたいメロディーを少しづつ音を重ねながらゆっくりと弾いていきます。1つの音から次の音に移る時に、一瞬2つの音が重なる瞬間を作るのです。その重なった音を聴いてから前の音を離します。同じように次の音へと移っていきます。それを繰り返すことによって次第に指先がレガートの感触を覚えていくのです。
Lyn chopinさんより動画お借りしました