暗譜の方法と注意点
ピアノを演奏する曲というのは一般的に演奏時間が長く、音の数も多いのにもかかわらず通常暗譜で弾く慣習になっています。
ここではピアニストにとって避けては通れない暗譜について考えてみましょう。
暗譜を始めたのは誰?
一説によるとリストが始めたとも、あるいはクララ・シューマンが始めたともいわれています。もしそうだとしたら大変罪作りなことをしてくれたもので
す。この暗譜のために苦労している方は多いのではないでしょうか。
音楽大学の入学試験も、初見視奏以外は暗譜が常識です。
暗譜には利点もあります。それは楽譜を見ながら演奏するよりは、はるかに集中力が高まるということです。それによって、より説得力のある演奏ができるようになります。ですから皆さんも暗譜を毛嫌いせず、むしろ当たり前のこととして受け止め、習慣化してしまうとよいでしょう、噴れてしまえばよいのです。
暗譜の方法は一つではない
それではここで、より合理的な暗譜の方法について考えてみましょう。ま
ず暗譜の方法には大きく分けて次のようなものがあります。
1.目で覚える
2.耳で覚える
3.指で覚える
4.楽曲分析で覚える
他にも考えられますが、大きく分けるとこの四つの方法ではないでしょうか。
1の方法は楽譜を視覚的に記憶していく方法です、文字通り楽譜に書かれている情報をすべてカメラで写しとるように記憶していきます。これはなかなか難しい方法で、幼児期から特殊な訓練を必要とするようです。
ごくまれに、先天的にこの能力が備わっている人はいます。
ルビンシュタインがそうだったといわれています。実に羨ましいかぎりです。
2の方法は時間もかかり、またやや原始的な方法です。練習していく過程で、耳から入ってくる音を少しずつ積み重ね、楽曲として再構築して記憶していくというものです。この方法は多くの人が無意識でおこなっている方法です。
3の方法は楽曲を指の運びという行為に変換して覚えていく方法です。
地道な反復練習を繰り返すことによって、指が自然と動いていくようになるという現象を利用した方法です。ただし指使いが一定していないと、いつまでたっても指が覚えてくれません。
4は論理的な方法です。そのためには楽曲を分析するための知識をあらかじめ持っていなければなりません。この方法の長所は、楽曲の仕組みを明らかにし、作曲家がおこなった作曲という行為を追体験することによって、あたかもその曲を自分が作曲したかのような深い理解を得ることができます。
皆さんが暗譜をするときは、無意識のうちにこの四つの方法を上手に組み合わせておこなっているのです。どれか一つの方法に頼って暗譜をするということはほとんどないといってよいでしょう。これら四つの方法を上手に組み合わせることによって、合理的な暗譜ができるのです。皆さんも一度自分の暗譜の方法を客観的によく観察してみてください。
暗譜に際しての注意
ここで注意すべきことがあります。それは、暗譜とは機械的に音を覚えればそれでよいというものではないということです。よく見られるのは、音は覚えているのに音に付随した表情が希薄になっているという演奏です。
つまり表現力がともなっていないということです。強弱やテンポの指示、感
情表現を促す記号、アーテイキュレーションなどさまざまな情報を音と一緒
に読みとり、同時に記憶していくようにしなければなりません。それによっ
て感動をもたらす演奏が可能になります。
暗譜は楽譜の読みの深さと根気強い練習によって、はじめて可能になるのです。
長三和音・Cメジャーコード
Miho Imanishi さんより動画お借りしました
それではキーボードの方を触っていきましょう。
コード弾き云々の前に、まず皆さんに覚えてほしい所があります。
それは、黒鍵ですね、黒鍵の位置を覚えるという事です。みなさん「ド」の位置っていうのは、見た目でぱっとすぐにわかると思うと思うのですけれど、黒鍵のこの2つ並びと3つ並びになっているところっていうのを、かなりしっかりと把握してもらいたいんですね。
何故かというと、この黒鍵を切り離してみて、白い鍵盤だけ見てみると、どこが「ド」なのかわからないんですね。だから、音符を見ながら弾く時でもブラインドタッチのようにこの黒鍵が3つのところなのか、2つのところなのかというところを判断しながら手を置いていくとですね、今自分の手は「ミ」の辺りなのか「ファ」の辺りに親指があるんだなとか、また、この4番目の指のところに黒鍵が無いっていう事は「シ」と「ド」のあたりに親指があるんだとか言う風に体感するというのが欠かせない重要なポイントになってきます。
この黒鍵をあまり意識しなくてもいいんですけれど、パッと手を持っていく時の指標にしてもらいたいです。
この黒鍵を見るっていうのともう一つ大事なポイントがあるんですが、この隣り合った白い鍵盤たちですね、ここはすごく重要です。
今からコードを色々と弾いていくと思うんですけれど、ここを意識するかしないかで、ピアノに関するコードの捉え方っていうのがずいぶん楽になると思うので、ここはしっかりと押さえておおいてください。
わたしはこの黒鍵の2本と3本の境目を川って呼んでます。川を挟むか挟まないかという事をよく使うので、耳を澄まして良く聞いておいてください。
言わずと知れた「ド」というのは、この2つの黒鍵の左側、ここが「ド」ですね。Aからスタートするというのは、ちょっとココからね、難しかった、キーボードやABCDEFGAに戻ってくると。
で、コードなんですけれど、コードというのは元々三和音という意味を持っています。和音っていうのは、これ単音です。
何か音が2つ同時に鳴ることを和音と呼びます。
3和音っていうのは三つの音が重なり合ってることを言います。
理論上、用語的には三和音というのは長三和音、短三和音、減三和音、増三和音等を意味します。
色々言葉はあるんですが必ず3度ずつ上昇する形になります。3度というのは「ド」から数えて123、3つ上の「ミ」が3度上の音になります。そして、この「ミ」から数えて3度上の音が「ソ」この三つを合わせて三和音です。
そしてこの一番最初の音がC(ド)、「ド」の音が一番下にある長三和音、明るい和音なので長三和音ということになります。
コード名でいうと、「ド」(C)の音が始まりの音なのでCメジャーコードのの和音になります
ソナタとは?
ソナタとは
ところでヽソナタとは一体どこの国の言葉でしょう。
さまざまな国で多少言葉が変化はするものの、ほぽ同じような言葉で使われていまず本来はイタリア語ですが、辞書で調べてみると「ソナタ」「奏鳴曲」などという訳語が載っています。
もとにな゜ている言葉はSonareで「奏でる」とか「弾く」「鳴らす」というような意味を持っています「奏鳴曲」という日本語訳は、フーガの「遁走曲」と同様に今はほとんど使われず、死語といってもよいほどです。
音楽史をさかのぼると、13世紀頃にこの言葉が使われています。バロック以降この言葉がよく使われるようになっていますが、同様の意味でSuitaやPartitaという言葉が用いられることもあったようです。
当時のソナタは一般に器楽のための作品で、独奏曲または室内楽曲であり、複数の対照的な性格の楽章をもつものでした。それがバロック以降、特にバッハとその同時代の作曲家によって洗練され、古典派のソナタの発展の基礎となりました。
バッハには比較的ソナタは少ないのですが、皆さんもよくご存じのスカルラッティは500曲以上のチェンバロのためのソナタを書いています。古典派になると、特に1700年代の中頃にソナタの第1楽章がソナタ形式で書かれるようになり、次第に皆さんが勉強の過程で必ず弾くようなタイプ゚の作品が現れてきます。特にこの時代においては、ハイドンの果たした役割が大きいでしょう。しかし、何といってもベートーヴェンのソナタは他に類を見ないもので、あれほど多様性に富むソナタが32曲も書かれたことに驚かれずにはいられません。ゆえに、入学試験において課せられるソナタの中でもベートーヴェンのものが群を拔いて多いのも納得できるのではないでしょうか。ソナタについては深い歴史的背景がありますので、興味のある方は音楽書などをひもといてみるのもよいでしょう。
ベートーベンのソナタを考える
recordsjp さんより動画お借りしました。
ベートーベンのソナタを考えてみたいと思います。
ピアノを始めて何年かしてだんだん徐々に上達し、それなりに弾くことが出来るようになると、難しい曲を弾いてみたくなってきます。
ソナチネの次はソナタというお決まりのパターンになります。ハイドンやモーツァルトから始めてやがてベートーヴェンのソナタに挑戦することになります。
ピアノをやっていれば、皆同じようにこの王道をたどることでしょう。
一方、相当数の音楽大学でもベートーベンのソナタを入学試験の課題曲としているようです、なぜソナタを課題としているのか、という疑問に対してはかなり長い答えが必要だと思いますが、簡単にいえば、ソナタはテクニックもさることながら音楽的にも多様性に富んでおり、受験生の力を判断するには最適の課題だからということになるのではないでしょうか。
では、ソナタを攻略するにはどうすればよいでしょうか。敵に勝つにはまず敵をよく知ることが大切だといわれますが、ソナタについても同様で、ソナタとは一体いかなるものなのかをよく知ることが必要だといえます。
そこで、具体的な作品の考察に入る前段階として、ソナタとは何かということについて考えてみたいと思います。まず、ソナタとソナタ形式は別のものであることを頭に入れてみてください。
フーガの練習方法
Take4585さんより動画お借りしました
ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますがフーガにはデュックス、コメス、そして二つの対唱という四つの要素があります。
まずこれらの要素を見つけてください。次にそれぞれの声部を弾いてみましょう。そうすることによってそれぞれの声部の動きが明らかになるでしょう。この作業を終えたあと、いよいよ両手で弾いてみることになります。このとき、できれば指使いも一緒に考えてみてください。
バッハを弾くにあたって、この指使いが大変重要な役割を果たします。各声部の横のつながりを保ちつつ、なおかつ縦の和声的なバランスも満足させなければなりません。そのとき、指使いが重要になってくることは想像に難くありません。指使いが決定されれば基礎工事が終わったも同然です。
あとはアーティキュレーション、デイナーミクなどを決めます。
また、バッハ自身はほとんど何のテンポ表示もしていませんが、その曲に最もふさわしいテンポも決めてください。
ここまでくればあとは練習あるのみです。自分自身のイメージを大切に仕上げていきましょう。ただし、注意することがあります。それは音をよく聴くということです。つまり、自分の決めたプラン通りに表現がなされているかどうかを、コントロールしなければなりません。そのときに、技術的な問題と直面することになります。それは人によっては非常に困難なことかもしれませんが、逆にバッハを練習することによって、五指の独立や関節の柔軟性などを養っていくことができる、というのもまた事実なのです。ですから、できないことはできないこととして冷静に受け止め、練習を通してその解決方法を模索していくのが更なる上達への課題となるでしょう。
ここで一つだけ付け加えておきたいことがあります。フーガはテーマを持っています。そのテーマを大事にするあまり、かえってそれが強調されすぎることがあります。しかし、フーガは織物のようなもので、さまざまな色の糸が巧みに組み合わされてそこに模様が描かれていると考えてください。ある糸の色だけが強調されすぎると、全体のバランスを崩してしまうことは容易に想像できるのではないでしょうか。