フーガの練習方法
Take4585さんより動画お借りしました
ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますがフーガにはデュックス、コメス、そして二つの対唱という四つの要素があります。
まずこれらの要素を見つけてください。次にそれぞれの声部を弾いてみましょう。そうすることによってそれぞれの声部の動きが明らかになるでしょう。この作業を終えたあと、いよいよ両手で弾いてみることになります。このとき、できれば指使いも一緒に考えてみてください。
バッハを弾くにあたって、この指使いが大変重要な役割を果たします。各声部の横のつながりを保ちつつ、なおかつ縦の和声的なバランスも満足させなければなりません。そのとき、指使いが重要になってくることは想像に難くありません。指使いが決定されれば基礎工事が終わったも同然です。
あとはアーティキュレーション、デイナーミクなどを決めます。
また、バッハ自身はほとんど何のテンポ表示もしていませんが、その曲に最もふさわしいテンポも決めてください。
ここまでくればあとは練習あるのみです。自分自身のイメージを大切に仕上げていきましょう。ただし、注意することがあります。それは音をよく聴くということです。つまり、自分の決めたプラン通りに表現がなされているかどうかを、コントロールしなければなりません。そのときに、技術的な問題と直面することになります。それは人によっては非常に困難なことかもしれませんが、逆にバッハを練習することによって、五指の独立や関節の柔軟性などを養っていくことができる、というのもまた事実なのです。ですから、できないことはできないこととして冷静に受け止め、練習を通してその解決方法を模索していくのが更なる上達への課題となるでしょう。
ここで一つだけ付け加えておきたいことがあります。フーガはテーマを持っています。そのテーマを大事にするあまり、かえってそれが強調されすぎることがあります。しかし、フーガは織物のようなもので、さまざまな色の糸が巧みに組み合わされてそこに模様が描かれていると考えてください。ある糸の色だけが強調されすぎると、全体のバランスを崩してしまうことは容易に想像できるのではないでしょうか。