ペダリングのコツ
ピアノが現在のような表現力を獲得するにあたって、ペダルはとっても重要な役目を担っているのではないでしょうか。むしろペダルなしではもはやピアノという楽器は考えられないといっても過言ではありません。
時代の流れにより楽器の発達とピアノ音楽の移り変わりを重ね合わせてみてもそれはよくわかります。したがって、まずメカニカル的にペダルの構造をよく知ることが良いペダリングにつながるといえます。
上達の秘訣の一つとして楽器をよく理解することがあげられます。特にピアノを弾いている人によく見られる傾向ですが、普段から親しんでいるはずの楽器があまりにも身近な存在であるために、実はそれについて何も知らなかったということはよくあることです。
例えば自分が乗っている車がなぜ走るのか、なぜ曲がったり止まったりできるのか、まったく知らないで運転しているようなものです。
確かにそれでも車は走ります。しかし、知っているのと知らないの
とではまったく状況は変わってきます。
とりわけ芸術的な表現が必要とされる演奏においては、ペダルの踏み方一つでまったく異なった表現になってしまうことがしばしばあります。ゆえに、「ペダルはピアノの魂」とまでいわれているのでしょう。
ところで皆さんは通常どのようなピアノを使っていますか。どのようなピアノでも、ピアノにはそんなにたくさんの種類があるわけではありません。
現在はグランドピアノとアフプライトピアノの二種類があるだけです、しかし、この二つの楽器は別の楽器といってもよいほど仕組みが異なっています。
打弦の基本的な考えは同じですが、ハンマーが弦に当たる角度には90度のずれがあり、同様にぺダルの機構も著しく異なっています。
そのことを頭に入れた上で考えてみましょう。