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坂本龍一「戦場のメリークリスマス」解説

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ドビュッシー サティ ラヴェルから
「戦場のメリークリスマス」へ


たとえばみんな聞いたことあるかな?
これね、こもう最初っから、たとえばそうですね

一種これは間違った和音とも言えるんですよね。

これがメロディーですよね、だからこんな和音でも良いわけなんです。

戦場のメリークリスマスの一小節目を見てみましょう。
このメロディーに組み合わせる和音を伝統的な西洋音楽の規則にのっとった場合の例として坂本さんが弾いたのがこちらです。

メロディーを印象づける「ミ」の♭が和音にも含まれています。このような和音を選ぶと全体が落ち着いた響きになります。

一方、実際の曲で使われている和音はこのようになっています。

メロディーを印象づける「ミ」の♭は和音には含まれていません。

なぜ坂本さんはこれらの音を選んだのでしょうか?

 

わざと、こういう和音の上に、こう来てるわけですね。それが、一緒に響くとこういう音になります。これはさっき言った、これが13でこれが7です。

そうすると、一緒に鳴らすと、こういう音になるんです。
その響きをわざと使ってるんですね。


この和音の最も低い音、「ソ」の♭に対してメロディーを印象づける「ミ」の♭は13度の音です。さらにメロディーの中のもう一つの音「ファ」は「ソ」の♭に対して14度の音ですが、これは7度の音の1オクターブ上なので7度と見なされます。つまり、この和音はメロディーで使われている音が7度、13度となるように選ばれているのです。

続いて2小節目を見てみましょう。

じゃ次の音は、こうなりますけれども
これは、さっき言った9番目の9の和音です。で、その上に、実はこの音がですね9、11、13また出てきました13の音です。だから、こういう響きが全体としてはすると


2小節目でも和音の最も低い音、「ラ」の♭に対して右手のメロディーの中の「ファ」が13度の関係になっています。

で、3小節目
これは、その上にやっぱり含まれていない音があります。で全体としてはこういう響きになります。そうするとこれってのは、ちょっと日本やちょっと前に聞いた、ガムラン音楽のような響きと共通性があるということで、少しアジア的な響きになる。だけど、その下には割とはっきりとヨーロッパ的な和音が支えていると、いうことになります。

それで、ずっと同じメロディー繰り返しても面白くないので、少し変化を付けようと、変化が来ますね、この最初のこれ、今まで出てこなかった響きですよね、だったのが、これになります、これは、何を隠そう、9の和音、これは9の和音全部使ってます。ただ、その手前までは抜いてたのがここで初めてぶつかっちゃうと、ここで少し変化が来ます。こっちも同じく9の和音、また9の和音、

さ、ここでまた変化が来ます、これは今まで出てこなかった和音、ですね。

えー、分解すると7,9,11と。ここが11、つぎは13です。
だから9、13、でしかも、この13の音は、この全体の長である変ロ短調に使われている音ではありません。変ロ短調は「レ」が♭になりますよね、ところが今使った13の音は、なんとその半音上のナチュラルな音です、でも一緒にやっちゃうとこんなにぶつかっちゃう。わざと、また戻ります。というような変化を付けると。いう事でいかがでしょう。

直接的にこの部分とか、ラベルのこの部分とかという訳ではありませんけど。
アメリカのジャズのピアニストのビルエバンスが影響を受けたのと似たような感じで、僕も全体として、彼らが追及した和音の面白さ、和音の豊かさ、そのパレットを増やした。のを、僕も受け継いで、影響を受けてこういう曲を作っているという事です。

最終的に、ドミソとソシレっていう風なですね、こういうガッチリした枠を事由にフレキシブルにするようにしていった。って言う流れはありますね。

それは、また大事なところで、変ロ短調の曲なんですが、本来であればその曲っていうのは、長の主和音からトニックの和音から始まるべきなのに、わざとサブドミナントと言いまして、ここから始まってる。
だから前に聞いたドビュッシーなどにちょっと似ていて、頭だけ聞いたんでは何の調なのかわかんない、ということになるわけです。それも調があいまいになる一つの効果ですね。

ポリポリポリ

という訳で、だからビルエバンスなり、あるいは坂本龍一なり、今に至るまでこういうその19世紀の末から20世紀の頭に、フランスでドビュッシーとかサティーとかラベルとかいう人が、今までの固いガッチリした構築の枠を外して、自由な音楽をやってみようと、そうするとすごく浮遊する豊かな和音が出てきたり、場合によっては音楽の外にあると思われてきたノイズとかも音として面白かったり、そういうのが開けてきた、その多きいい影響の元にあるって言うかな。延長上にあるとも言えるんじゃないでしょうか。